研修医のための知識

元々は医学部6年生・研修医向けの医学ブログでしたが、最近はオプションを利用した資産形成方法を掲載しています。

腎機能が悪いと造影CTは撮れない??

 

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結論

腎機能が悪くても造影剤の使用は可能

 
■2000-2010年に造影CT、単純CTを施行した患者群を解析し、以下の4群に分類。
eGFR <30, 30-59, 60-89, >90
どんなeGFR群(<30,30-59,60-89,>90)でも造影剤の使用による造影剤腎症発症リスク・透析リスク・死亡リスクの上昇は認められなかった
Radiology. 2014 Apr; 271(1): 65-73. Radiology. 2014 Dec; 273(3): 714-25
 
 
■また慢性腎臓病患者において造影CT、単純CTを施行した患者群を解析し、eGFR<30と30-59に分類して研究した結果造影剤の使用で急性腎障害の頻度は軽度上昇するものの(eGFR30-59群で5%上昇、<30では有意差なし)、透析リスク、死亡リスクの上昇はなかった。
Mayo Clin Proc. 2015 Aug; 90(8): 1046-53
 
 
コホート研究の解析のため確定的なことは言えないが、ERなどにおいては大動脈解離・肺血栓塞栓症などを疑い造影CTの撮影が必要ならば、腎機能よりもその判断を優先させるべきだろう。
 
 
出典:ホスピタリストのための内科診療フローチャート p.416