研修医のための知識

元々は医学部6年生・研修医向けの医学ブログでしたが、最近はオプションを利用した資産形成方法を掲載しています。

フェンタニルとレミフェンタニルの違い

フェンタニル

レミフェンタニルと薬理学的特徴は類似しており、鎮痛効果も同等である。
アルカロイド系の麻薬。鎮痛作用はモルヒネの200倍と言われる。20~40分持続する。
モルヒネと違いヒスタミン遊離作用はない。低血圧は起こしにくい。
副作用として強い呼吸抑制、副交感神経刺激発作(喘息誘発)、鉛管様硬直。
呼吸抑制に対してはナロキソンを使用。

レミフェンタニルと異なり、静脈内、硬膜外腔、くも膜下のいずれにも投与できる
鎮痛作用が強いために、静注するとセボフルランやプロボフォールなどの鎮静薬の使用料を40~50%低下させることができると言われている。
代謝、腎代謝であるが脂肪組織へ分布したフェンタニルがゆっくり血中へ溶け出すため消失半減期は3~7時間と長い。
蓄積効果が高いため麻酔維持の目的で持続投与されることは少ないが、良好な鎮痛のため術後には10~60μg/時の少量を持続静注することがある。

 

レミフェンタニル

超短時間作用型の合成オピオイド鎮痛薬で、モルヒネの2,000倍の鎮痛作用を持つ。
通常は持続静脈内投与で使用する。血液中および組織内の非特異的エステラーゼによる代謝を受け安く、代謝は肝機能や腎機能に依存しないため、肝機能障害や腎機能障害者に対しても使用できる(蓄積性がない)
血中半減期は4~8分と早く、またBBBを容易に通過するため作用発現も速やか。
容量調節が容易であり、侵害刺激に対して必要十分量投与しても術後に呼吸抑制をきたす危険性がない。
つまり術後の副作用を心配せずに使用可能
胎児においても急速に代謝されるため、妊婦にも比較的安全に使用できる。

添加剤としてグリシンを使用しているため、硬膜外腔およびくも膜下腔への投与は禁忌。静脈内投与のみ。
またレミフェンタニルを1μg/kg以上の量を30秒以内に投与すると鉛管様硬直のリスク高い。