研修医のための知識

元々は医学部6年生・研修医向けの医学ブログでしたが、最近はオプションを利用した資産形成方法を掲載しています。

感染症なのにステロイドを投与する疾患といえば?

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感染症ステロイドは禁忌」

それは過去の遺残ですね

例外を覚えましょう

 

 

 

 

 

 COPDの急性増悪

 COPDの急性増悪の治療といえば?


 「ABCアプローチ!!」

 

誰でもこう答えるはずなのに

感染症なのにステロイドを投与する疾患は?」

と聞かれたらなかなか答えられないものです

 

COPDの急性増悪の起炎菌としては

が挙げられます

 

ABCアプローチというのは

  • Antibiotics(ペニシリン系やニューキノロン系)
  • Bronchodilators(SAMAやSABAの吸入、テオフィリンの点滴静注)
  • Corticosteroids(経口あるいは点滴静注)

 

 

細菌性髄膜炎

細菌性髄膜炎の治療薬は年齢別に分かれていて結構複雑で嫌気がさします

ですが治療に「抗菌薬+ステロイド」を覚えておけばなんとかなるでしょう

 

まずは細菌性髄膜炎の基本的な内容を説明します

年齢ごとの起炎菌は

  • 新生児:GBSやE.coli
  • 1〜3ヶ月:GBS、Hib、E.coli
  • 4ヶ月〜5歳:肺炎球菌、Hib、髄膜炎
  • 6〜49歳:肺炎球菌、Hib
  • 50歳〜:肺炎球菌、GBS

新生児や乳幼児はうんちを食べちゃうのでE.coliが起炎菌になるのは理解できます

新生児・乳幼児にGBSが多いのはどうしてでしょうか?

 

新生児・乳幼児にGBSが暴露するのは産道感染です

実はお母さんの膣内にGBSが繁殖している場合があるのです

なのでGBSに感染しているかどうか妊婦健診の後期に検査します

感染していたら分娩中や前期破水後にペニシリンを点滴静注するのです

 

老人にGBS感染が多いのは気合で覚えましょう

 

あと髄膜炎菌は名前の割にそんなに起炎菌としてはメジャーじゃありません

腹たつところですね

 

 

また、新生児や高齢者では、稀ではあるが重篤になりやすいリステリア菌も起炎菌として重要です

 

リステリアはセフェムが効きません!!

 

なので、新生児と老人には抗菌薬として

セフェム系+アンピシリン

を投与します(アンピシリンはβラクタム系)

 

きっちり覚えておきましょう

 

 

 

 

ではステロイドはなぜ投与するのでしょうか?

それは抗菌薬による細菌の急激な菌崩壊現象に伴う

サイトカイン・ケモカイン・酸化窒素の放出を抑制するため

に投与します

 

しかし以下の場合はステロイド投与しません

今後出るかもしれないので、きっちり覚えていきましょう

 

 

急性喉頭蓋炎

レビューブックには急性声門下喉頭炎もステロイド投与してます

仲間なのでいけるでしょう

 

急性喉頭蓋炎はインフルエンザ菌によって生じる耳鼻科救急疾患です

ふくみ声・流涎・吸気性喘鳴などが症状として挙げられます

またXpではthumb signなど、特徴的な所見が山盛りです

 

SpO2などを確認して、呼吸できそうになかったら気管挿管などですね

 

ステロイドは炎症を抑えるために投与します

 

 

 

まとめ 

有名なものとして

を挙げました

 

正直他にも多数ありますが、これぐらい押さえとけばいいでしょう

医学の奥は深すぎて沼なので、ここらでなんとか作問者様にお願いしたいところです