研修医のための知識

元々は医学部6年生・研修医向けの医学ブログでしたが、最近はオプションを利用した資産形成方法を掲載しています。

サイアザイド利尿薬で高カルシウム血症・低マグネシウム血症になる理由

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遠位尿細管ではNa-Clチャネルがある

 

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Na-ClチャネルではNaを吸収するとともに水分を吸収している

サイアザイド系利尿薬ではこのチャネルを阻害する(以下の図参照)

 

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サイアザイド系によりNaを吸収できない

細胞内のNa濃度が低下する

そのため、別のチャネルからNaを細胞外(尿細管ではない)から細胞内に吸収する

その時の電位の流れを逆に利用してCaを尿細管から吸収する

そのため尿細管内のCa濃度は低下する(高Ca血症)

その際、MgはCaと同じ経路をたどるが、Caに優先権があるため、Mgは吸収されず、低Mg血症となる