見ればわかる肝移植の適応
肝移植はやばい病気
肝疾患でやばい病気といえば「劇症肝炎」!
あと「やばい」の「ば」から「Budd-Chiari症候群」を思い出す!
Budd-Chiariには、様々な疾患の名前が隠れている!
Wilson病は、先天性代謝疾患の代表として選んだが、先天性代謝疾患は肝移植の適応となる(Wilson病だけではない)
さらに、よく上図を見ると・・・
Cがいっぱいある!
a Lot of C ということでLC=肝硬変!
また、「d」が2つあることに注目すると・・・
多発性肝嚢胞を思い出すことができる
さらに、Chiariと書いているので、Chiari奇形を思い出して
Chiari奇形というのは、小脳扁桃あたりが下垂することで、脊髄液の通路を圧迫した
「通路を圧迫する」という発想から、先天性胆道閉鎖症を思い出す
これで全てではないが、ここまで覚えておけば、ある程度大丈夫だろう
絨毛膜羊膜炎(CAM)の病態とその管理について
絨毛膜羊膜炎(以下CAM)は、以下の図のように細菌による感染が上行性に進行し、それに伴い炎症反応も上行性に波及する。
炎症がある程度進行すると
- 頸菅熟化
- 前期破水
- 早発陣痛
が生じ、急速に早産に至る。
CAMの分類
CAMは、不顕性と顕性CAMに分けることができる。
不顕性はほっとくと顕性CAMになり、急速に早産に至る。
不顕性は治療により進行を止めることができるが、顕性はたとえ子宮収縮抑制薬を投与したとしても妊娠継続は困難で、数日中に早産になることが多い。
このため、不顕性CAMの時点で早期診断・治療を行うことが重要である。
CAMをどうやって見つける?
顕性CAMの診断基準は以下のように行う。
①母体の発熱(38度以上)がある場合、以下のうち1つ以上認めること
- 母体の頻脈(100bpm以上)
- 子宮の圧痛
- 膣分泌物・羊水の悪臭
- WBC増多(15,000/μl以上)
②母体の発熱がない場合、上記4つを全て満たすこと
しかしこの診断がなされた時期には、CAMは結構進行しており、なかなか治療効果が望めない。
そのために見つけ出されたのが、早産マーカーである。
有能な早産マーカー
膣分泌物や頸管粘液、羊水を用いて、以下の図にあるようなマーカーを調べる。
羊水検査により、子宮内感染の有無や、胎児肺の成熟の度合いを確認することができ、これらのデータが治療方針決定に役立つ。
羊水中に細菌が見つけらたら妊娠終結である。
CAMをどうやって管理するの?
CAMは妊娠週数によって管理のされ方が異なる。
CAMになると早産のリスクが非常に高まるが、早産で困るのが肺のサーファクタント不足である。
肺サーファクタントは妊娠34週頃に産生量が十分になる。
肺のサーファクタント量が十分に産生されていると、外界で生きていくことができるが、早産だと肺のサーファクタントが十分に賛成されておらず、欠乏し、自力で呼吸することができず死んでしまう。
このサーファクタントの量が生死の境目となる。
サーファクタントが必要
胎児において、肺サーファクタントは副腎皮質ステロイドにより、産生量を増加させることができる。
そのため、「34週未満に生まれそうだ!」という胎児に対して、母体にステロイドを使用する。
ちなみにこのステロイドは効き目が48時間必要であり、またプレドニゾロン使用できない(胎盤で代謝されるため、デキサメタゾン・ベタメタゾンを使用する)。
したがって管理の目安は
というのが大きな原則になりそう
ここまでをまとめる
今までのところを整理すると
- CAMは早産になる
- 顕性CAMは治療効果が不十分であるため、不顕性CAMの時点で見つけたい
- 顕性CAMの基準を満たした時には、すでに遅い
- 早産マーカーが非常に有効
- サーファクタントがなければ生存が厳しい
- CAMの管理はサーファクタントの産生量(妊娠週数)によって場合分けされる
以下の図のような管理のされ方をする。
26週と34週がCAM管理の場合分けのポイントである。
感染症なので抗菌薬は当然使用する。
抗VEGF抗体硝子体注射の適応のゴロ
お久しぶりです
卒業試験が終わったのでこれからまた書きます
VEGF(Vascular endothelial growth factor)は血管内皮細胞増殖因子のことで、虚血・炎症などを反映して増加し、新生血管の増殖・成長や血管の透過性亢進に関わる。
抗VEGF薬を投与することで
- 新生血管の増殖や成長を阻止し、網膜出血や硝子体出血を防ぐ
- 血管の透過性亢進を抑え、網膜浮腫を防ぐ
ことができるようになる
抗VEGF薬の硝子体注射の適応は
- 脈絡膜新生血管に対して ➡︎ 加齢黄斑変性症、病的近視
- 黄斑浮腫 ➡︎ 網膜静脈閉塞症、糖尿病
である
絶対忘れない覚え方は・・・
V:Vein ⇨ 静脈 ⇨ 網膜静脈閉塞症
E:Eye ⇨ 病的近視
G:じじい ⇨ 加齢黄斑変性症
F:Fat ⇨ 糖尿病
特発性間質性肺炎(IIPs)のまとめ
特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonias : IIPs)は以下のように分類される。
急性あるいは亜急性のIIPs
急性間質性肺炎(acute interstitial pneumonia : AIP)
特発性器質化肺炎(cryptogenic organizing pneumonia : COP)
慢性経過の線維化を伴うIIPs
特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis : IPF)⬅︎IIPsの60%を占める
特発性非特異性間質性肺炎(idiopathic nonspecific interstitial pneumonia : NSIP)
喫煙関連のIIPs
剥離性間質性肺炎(desquamative interstitial pneumonia : DIP)
呼吸細気管支炎を伴う間質性肺疾患(respiratory bronchiolitis-associated interstitial lung disease : RB-ILD)
基本的なアルゴリズムは以下
IPF
高齢者で、慢性経過の咳嗽ならIPFを考える。
CTにて通常型間質性肺炎、usual interstitial pneumonia(UIP)パターンを取る
原因疾患がなければ(原因不明なら)、形態学的にUIPパターンのみでIPFと診断可能
治療はピルフェニドン(抗線維化薬)やニンテタニブ(分子標的薬)。ステロイドは効果に乏しい。
IPF以外のIIPsには基本的にステロイドを投与する
しかしIPFも急性増悪時にはステロイドパルス療法を用いる
IIPsのそれぞれの病理像をまとめたのは以下